インタビュー

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医師にとって大切なものは、優しさや思いやり
地域医療を支え、患者さまがほっとできる医院でありたい

病院は、病気の早期発見・早期治療だけでなく、医療を通じて、人と人とのつながりを生み出す場でもあります。優しさや思いやりを大切に、患者さまの声にしっかりと耳を傾け、地域の皆さまの健康をサポートします。

医師を志した理由、また医師として大切にしていることは何ですか?

地域医療に貢献したい、というのが一番の理由です。
また、昔から人と接するのが好きで、将来は人とかかわることで人の役に立てる職業につきたいと思っていました。また、高校が進学校だったこともあって、周囲の友人たちも医学部志望が多かったですね。そういった影響もあるかもしれません。

医療において、技術はもちろん大切ですが、私は、やさしさや思いやりといった、人間としての資質が重要だと考えています。医師は人の命を預かる仕事ですから。地域の病院やクリニックの存在意義は、病気の早期発見・早期治療や大病院への紹介だけでなく、人と人とのつながりを生み出す場としての役割を担っている点だと思います。

診察の際に心がけていることは何ですか?

患者さまの話をしっかりと聞くよう心がけています。初めて来院される患者さまは、緊張されていることが多いです。病気や体調の不安のせいだけでなく、初対面の医師を相手にするわけですから、自分の思っていることをうまく言い出せないこともあるかと思います。

そういったときは、ちょっとした手品や寸劇、世間話などで場を和ませるようにしています。男性や女性、小さいお子さまなど、来院された患者さまに合わせて、リラックスしてお話しできるような環境づくりやアプローチを心がけています。

今後、力を入れていきたい治療分野などはありますか?

現在は、消化器内科の検査をメインにおこなっていますが、これからは在宅医療やエイジングケアにも力を入れていきたいと考えています。内視鏡検査などによる病気の早期発見と早期治療、そして終末期を迎える患者さまのための在宅医療の二本立てで、病気とどう接していくのか、その入り口と出口を支えるような医療をしていきたいです。

この地域だけでなく、国全体で高齢化が進んでいます。従来の地域医療が、在宅医療に変わっていくのではないかという思いもあります。たとえば、在宅医療と、エイジングケアを本のメインタイトルであり総論とするなら、消化器疾患や日常的な疾患の診療は各章、各論という位置づけで考えています。

院内のデザインや空間づくりでこだわっていることはありますか?

一言で言うと、「脱・病院」を目指しています。15年ほど前は、ビルの一角で開業する、通称「ビル診」と呼ばれるような、ちょっと殺風景な病院が多くありました。私は、病院というよりも、患者さまにとってサバンナのオアシスのような、そこに行くとほっとできるような空間を作りたいと思っています。

もちろん、大切なのは診察室や待合室など、物理的な空間だけではありません。器だけでなく、そこに盛る料理も大事なので、スタッフの対応など、人間的なあたたかみも大事だと思います。スタッフ教育としても、その点に力を入れています。

先生が、健康上で気をつけていることはありますか?

有酸素運動や、筋肉に繰り返し抵抗をかけるレジスタンス運動を毎日行うようにしています。医師である私が不健康・不摂生をしていながら、患者さまに接するというのでは筋が通らない、という思いもあります。いつでも、医師として、自分の能力をしっかり発揮できる状態をキープしたいと考えています。

かつては東京マラソンにも2回参加して、2回とも完走しました。最初は、走りきれるだろうかと思ったのですが、達成できましたね。日々、少しずつでも努力していけば、42.195キロも完走できるんだというのは実感しましたね。